Webエンジニアとして15年ほど手を動かしてきましたが、ここ最近で一番大きく変わったのは「AIに作業を依頼する」という選択肢が日常に入ってきたことです。単に質問に答えてくれるだけでなく、こちらの指示を受けてファイルを読み、手順を踏み、成果物までつくってくれる。いわゆるエージェント型の使い方が現実的になってきました。私の実感ベースで、何がどう変わったのかを書いてみます。
「最初の一歩」を任せられるようになった
私が一番助かっているのは、着手のハードルが下がったことです。新しいライブラリを試すとき、以前なら公式ドキュメントを読み込んで、写経して、動かして、という助走が必要でした。いまは大まかな要件を伝えると、たたき台のコードや設定を用意してくれます。
Laravelの案件でも、コントローラの雛形やテストの土台づくり、単純なリファクタリングの下書きなど、「頭を使うほどではないが手間はかかる」作業をまず任せます。ゼロから書くより、出てきたものを直す方が精神的に軽い。この差は思った以上に大きいと感じています。
それでも人が判断すべきところは残る
一方で、任せきりにできない部分もはっきりしてきました。私が線を引いているのは、次のようなところです。
- 設計の方針や、既存システムとの整合性の判断
- 本番環境やデータに触れる操作の最終確認
- セキュリティやお金に関わる箇所のレビュー
- 「なぜそう作るのか」という前提の言語化
エージェントは筋の通った答えを出してくれますが、その前提が案件の文脈に合っているかまでは保証してくれません。出力を鵜呑みにして事故りかけたことも正直あります。最後に責任を持って判断するのは人、という感覚は今のところ変わっていません。
使いこなす上で気をつけていること
うまく付き合うために、私が意識しているのは指示の粒度です。丸投げすると期待とずれた大作が返ってきて、直す手間の方が増えます。小さく区切って、確認しながら進める方が結局早い。
もう一つは、出てきたコードを必ず自分で読むこと。理解できないまま取り込むと、後で不具合が出たときに手も足も出なくなります。会社(合同会社淵)でWebメディア「コトログ」を運営していますが、記事の下調べや整理でもAIを使う場面が増えました。ここでも「素材を出してもらい、判断は自分」という距離感は同じです。
まとめ
エージェント型のAIが入ってきて、私の仕事は「自分で全部書く」から「任せて、選んで、整える」へと少しずつ寄ってきました。手が空いた分だけ、設計や判断といった本来考えるべきことに時間を回せるようになったのは良い変化だと感じています。とはいえ最終判断は人の仕事です。便利さに寄りかかりすぎず、道具として上手に使う姿勢を持ち続けたいと思っています。

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